幹細胞の“ホーミング効果”とは?

幹細胞の重要な働きのひとつに、病気やけがなどで失われた細胞を新しく補う機能があります。

幹細胞には、特定の部位に移動する性質があり、これを「ホーミング効果」と呼びます。傷ついた組織から発せられるシグナルを受け取ることで、幹細胞は血流に乗ってその部位に集まり、損傷箇所へと到達します。

こうして幹細胞は目的の場所へ移動したのち、約3カ月〜6カ月かけて必要な細胞へと分化し、傷んだ組織の修復や再生を行います。

体内に投与された幹細胞は、まず血管の中を循環しながら全身を“パトロール”します。約3ヵ月間、必要な場所を探して移動を続けます。

損傷や炎症がある組織は、幹細胞を引き寄せる特殊なシグナルを発します。幹細胞はこの信号をキャッチして、自律的に患部へと集まっていきます。

幹細胞は、損傷部位から発せられるシグナルに導かれて血管内壁に接着し、そこを通過して組織内へと入り込みます。こうして患部へ到達し、修復の準備を開始します。

幹細胞は、成長因子やサイトカインを放出しながら、損傷部位に必要な細胞へと変化。新しい血管をつくったり、壊れた細胞を補い、組織の再生を促します。

このように、点滴で体内に投与された幹細胞は、痛みの原因となっている部位へ自然と集まっていきます。そこで、傷ついた組織の修復や新しい血管の生成を促し、痛みの原因に直接働きかけます。こうした働きによって、ダメージを受けた組織が正常な状態へと回復し、痛みの軽減が期待されるのです。

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